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若者の活動

Rise Up! リーダーシップストーリーー2022年度の挑戦と成功の秘訣

Rise Up!リーダーシップガイドブックとは:

リーダーシップトレーニングを確立し、プログラムに参加するための総合的なガイドブック。若い女性が変革をもたらすリーダーシップスキルを学び、獲得することを目指し、自身の人権と将来について主体的な意思決定をできるように若い女性をエンパワーする。ガイドブックは若い女性のために、若い女性たちによりつくられ、地域の実情に合わせて意図的に調整したり、規模を変更したりして実施できるように設計されている。ダウンロードはこちらから。

 

京都YWCAユース委員会では中高生向けに、Rise Up!リーダーシップワークショップ~変革をもたらすリーダーになる!~を2020年度から実施しています。2022年度は、新しく3つのことにチャレンジした飛躍の年となりました。メンバーの菜々子さんが、その活動内容、成果、成功の要因を、他のメンバーの感想も踏まえながら振り返ります。

 

――――どのようなワークショップを開催していますか?

私たちのビジョンは、「中高生が正しい情報を持ったうえで、自分の人生の選択を自分でできるようになる社会をつくること」です。そのために、ミッションとして、Rise Up!リーダーシップガイドブックに沿って、自分の強みや特徴を理解して自信を持つこと、社会課題を人権やジェンダーの視点から理解すること、社会課題や自分の将来に関して自分の考えを発信できるようになることの3つを設定しています。2022年度はキャリアと平和をテーマとしたワークショップを実施しました。

――――2022年度の活動について詳しく教えてください。新しくチャレンジしたことはありますか?

3つの中学校・高等学校に対して10回のワークショップを行いました。特に、2022年度はたくさんの新しいことを実践でき、京都YWCAユース委員会にとって重要な一年になりました。

 

まず、実施校を一つ増やすことができました。これまで実施していた2校とは違い、京都YWCAとの関わりがない学校でしたが、ワークショップの実施を打診し、中高生の興味に合わせて平和をテーマに2回のワークショップを開催しました。「平和」は遠い国の課題にとどまらず、日常生活にも関わる課題であると説明したことで、「中高生だから平和に貢献することはできない」と考えていた中高生たちが「自分たちが身近な平和を実現するためにできることがある」と考えを変えるきっかけとなりました。

 

二つ目の挑戦は、近隣の2校の中高生と対面での交流企画を実施したことです。コロナ禍の影響でできていなかった7月と3月に2回開催することができ、中高生からは「学校が違う同い年の人と出会う機会はなかなかないので、とても楽しかった」といった感想が届きました。普段とは異なる話し合いができ、「政治が自分の生活に関わっていると気づいた」、「ジェンダーバイアスに影響されていることに気づいた」、「春から進学する大学での勉強や研究で、ジェンダー視点を取り入れたい」といった声があり、中高生がたくさんの気づきを得てくれました。

 

三つ目の挑戦は、今まで扱えていなかったアドボカシーをテーマに、実践的なワークショップを行ったことです。アドボカシーはRise Up!リーダーシップガイドブックで、リーダーシップを身に着けるための5つのステップのうちの4番目ですが、3つ目以降の実際に行動していくステップについては、時間の制約からワークショップ中では実際にできていませんでした。今年度のワークショップの総まとめとして、2校合同の交流会を3月8日の国際女性デーに行うことが決まり、リーダーシップの旅を新たなステップへ進めることにしました。日本ではまだまだなじみのないアドボカシー意味や実例を紹介した後、国際女性デーに合わせてアドボカシーを行い、世界規模の動きの一部になれたという自信を得ることを目的に、グループに分かれて関心のある課題を解決するための行動を求めてSNSにメッセージを投稿しました。グループでの話し合いからの気づきは多く、アドボカシーへの理解も深まったというアンケート結果が得られました。

 

 

――――参加した中高生からは他にどんな声が届きましたか?

既に紹介したような新たな知識や発見があったということに加え、参加後に自信を持てるようになったかを聞いた項目では11人中6人が「とても自信を持てる」、3人が「自信を持てる」と回答してくれました。また、ほぼ全員が「話しやすい雰囲気だった」と回答してくれています。

 

――――そのような評価を得られている要因は何だと思いますか?ワークショップの準備段階で気を付けていることはありますか。

まず、Rise Up!のリーダーシップモデル、私たちのチームのミッションに忠実であることです。

それぞれの無理のない範囲で活動しているため、運営チームのメンバーは毎年、もっと言えば毎回変わります。ワークショップの内容がぶれないように、新しいメンバーには、Rise Up!リーダーシップガイドブックの基本的な考え方、リーダーシップを身に着けるステップとそれを私たちのワークショップにどのように落とし込んでいるかを必ず説明します。企画時は、チームのミッションに何度も立ち返り、ミッションを達成するための構成になっているかどうか確認しています。そして、ワークショップの冒頭は毎回必ずワークショップの目標やRise Upのリーダーシップモデルを参加者全員で確認しています。

 

もうひとつは、中高生が安心して発言できるように、質問やディスカッションのテーマを具体的に、またどのような考えも否定しないように設定することです。

ワークショップに参加するのは、中学1年生から高校3年生までと幅広く、前提知識も興味関心も異なります。また、日本では自身の考えを持ち、発表する機会が限られているため、自身の考えをまとめ、自身の言葉で話すこと自体もハードルが高く感じられます。このような状況を踏まえ、例えば、データを紹介した後の問いかけは、「どう思いますか」ではなく、「知っていましたか」、「この状況は問題がありますか、ありませんか」、「なぜそう思いますか」と少しずつ聞いています。また、ワークショップ開始時には、セーフスペースルールを確認したり、聞きなれない言葉を使う場合や年代によってはなじみのない話題となる場合には、言い換えの方法やディスカッションで何を目指すかまで打合せしたりています。

これらのことで、ユースメンバー自身が自信を持って、また安心してワークショップを運営することができていると感じています。その安心、自信が参加する中高生にも波及し、話しやすいと感じてもらえてるのだと思います。

 

――――参加する中高生だけでなく、ユース委員会のメンバーの学び、成長の機会にもなっているのですね。

その通りです、ワークショップはみんなで意見を出し合いながら、全員の力で作りあげました。何人かのユースメンバーの、ワークショップを通したリーダーシップストーリー、今後の抱負を紹介します。

 

■ゆい

2022年7月から京都YWCAユース委員会に関わるようになり、分からないながらもYWCAの活動に参加し、様々なことを経験しました。普段1人では気づけないような視点を持ち、これまで様々な困難を乗り越えた先人の経験も知ることが出来ました。コロナで人との繋がりを感じられないという辛い期間がありましたが、京都YWCAでの活動は人との繋がりの大切さを改めて感じることが出来ました。今後も様々な人や考えの出会いを楽しみに活動していきたいです。

 

■ゆきの

ワークショップで、普段関わる機会の少ない中高生とコミュニケーションを取れたことが、新鮮で良い刺激になりました。「教える」のではなく、「考えてアウトプットすることのお手伝い」という感覚で取り組みましたが、ワークショップの内容からずれないよう軌道修正するのを難しいと感じたこともありました。参加者がワークショップの内容からたくさんの学びを得ながら、周囲の反応を恐れずに考えを共有できる場を作りたいです。

 

 

■ことみ

私は高校生の時に中高YWCAでRise Up! リーダーシップワークショップに参加し、そこでキャリアについて学び、「女性でも学びたいことを学んでいい」ということ、私たちにはその権利があるということを知りました。それが、今の大学での学びに繋がり、さらに、ワークショップを企画する側となり、中高生に「自分のキャリアを大切にすること」を伝えようと活動しています。私にとってユース委員会の方々との出会いが国際問題を学ぶ意欲を高め、現在ユース委員会の一員として活動するきっかけとなったように、私たちの活動が次のユースの可能性を広げ、ユース会員の環を繋げていきたいです。

 

■なお

私は今回初めて中高生向けのRise Up! リーダーシップワークショップに企画メンバーの一員として携わり、共に企画に関わったメンバー、そして参加者の中高生の皆さんからも多くのことを学びました。最も印象深かったのはキャリア関わるワークショップの中で自身が担当した「進学」のパートです。私自身がかつて進学するにあたって多くの迷いや挫折を経験し、現在になってもそれをいい経験だったと割り切ること難しいです。しかし自身が経験したことだからこそ、中高生の目線に立って、不安に思いを馳せることができ、当時、私自身がかけて欲しいと願った言葉を、中高生に伝えることができました。このワークショップを通して私自身も、もう一度自分を見つめ直したことで、等身大のリーダーシップを発揮することができました。

 

――――それぞれ、Rise Up!リーダーシップの旅を一歩ずつ歩み、リーダーシップを確実に身に着けているようです。

私自身も準備段階での会話や中高生との会話から学びや刺激を得ることはたくさんあります。話しやすい雰囲気だと感じる参加者が多いこと、中高生もチームのメンバーもリーダーシップスタイルに気づき自信を得ていることをとても嬉しく思います。今後は、全国の中高生がワークショップに参加できるようにしていきたいです。

 

――――Rise Up!リーダーシップワークショップを企画したい、京都YWCAユース委員会に参加したいユースに向けたメッセージはありますか。

この活動に参加したい大学生、35歳までのユースを常時募集しています。メンバーのひとりが、ユース委員会の活動の特徴を話してくれました。

 

■みお

京都YWCAのユース委員会活動の良い点を、三つご紹介します。

一つ目が、「セーフスペースでお互いの考えを話し合える」ことです。日常では難しいですが、セーフスペースではお互いを尊重しながら、自分の意見を皆が言えますし、その中で考えが深まり、その後行動に繋がっていくことがとても楽しいです。

二つ目が、「何かを良くするために行動できる」ことです。夜かふぇやRise Up!の出前講座といった企画を実際に実現ができて、自信がつきました。

三つ目が、「自分の得意を活かして貢献できる」ことです。詳しい分野の知識を使った意見や、ワークショップの素材作り等、今までの経験や得意なことを活かせる場面が多いです。

京都YWCAユース委員会では、「正しい情報を持って自分の人生の選択を自分で決める」というビジョンを実現するために、これからもセーフスペースを大切にし、ワークショップに参加する中高生も、企画するメンバーも自分らしいリーダーシップを発揮できるようなワークショップを続けていきます。

企画運営に興味のある方はInstagramのDMやメールでご連絡ください。

ワークショップを実施して欲しい高校、参加したい高校生のご連絡もお待ちしています。

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